敵対思考は基本的に相手を「敵か友人か」で判断する。
これに対して、相互依存思考は基本的に相手を友人として扱う。

経済原理を重視するエコノミストは相互依存思考で世界を理解しようとする。
相互依存を深めれば、自然に平和も達成できると考えて、相手を相互依存原理で説得しようとする。
「話せば分かる」という議論である。

だが、いま私たちが向き合っているテロリスト(中略)は初めから「話して分かる」相手ではない。
いつかは話して分かる可能性もあるかもしれないが、
まずは話しても分からない相手という認識に立って、
戦略を組み立てなければならない。相手は自分たちを敵とみているのだ。

いま、中東のテロリストたちは相互依存関係の構築など、まったく頭の片隅にもないだろう。
彼らはどんな暴力に訴えても、自分たちの縄張り構築が最優先と思っている。
私たちが相互依存原理を捨て去る必要はまったくないし、いつか日本が中東の繁栄に一肌脱ぐ日もくるだろう。

だが、いまテロリストたちに「話せば分かる」式で対応しても仕方がない。
「武力の応酬で問題は解決しない」という主張は一見、美しく響くだけで、
どうすべきか、何も政策を語っていない。




(現代ビジネス 11月20日(金),「話せば分かる」はもう通じない



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