その結果、「頭のよさ」をほめられた生徒たちは、1回目と比べて3回目の成績が25%ほど悪かった。難しい問題でいい成績を取れなかった理由を「能力がないからだ」と考える傾向が強く、結果として3回目は問題に取り組むことをあまり楽しめず、諦めるのも早かった。
一方、「努力」を褒められた生徒は、1回目と比べ3回目の成績が25%もよくなった。問題に歯が立たなかったのは「頑張りが足りない」ためだと考え、3回目は問題に我慢強く取り組み、その体験を楽しむこともできた。

あなたは、容易に達成できるとわかっている目標だけを設定し、チャレンジを避け、無難な道を選ぶことがどれほどあっただろうか? ずっと以前に、これは絶対に上手くなれないと決めつけてしまった事柄はなかっただろうか? 習得するのは絶対不可能だと決めつけた技能は? 当てはまることが多くあるなら、おそらくあなたは「優等生」の1人だったのだろう。そして、「いまの自分のまま変わることなどできない」という観念によって、あなたが考える以上に人生を大きく左右されてきたのかもしれない。それもいたしかたないだろう――もし本当に、能力が生来のもので変えられないのであれば。しかし、けっしてそうではない

知性、創造性、自制力、魅力、運動能力――どんな能力であれ、それは大きく変えうることが複数の研究で明らかになっている。新たな技能をマスターする時に決め手となるのは、経験や努力、粘り強さである。もしあなたが利口な子どもだったのなら、そろそろ能力に関する(間違った)認識を捨て去ってもよい頃だ。自分はいつでも向上できるという事実を受け入れ、遠い昔になくしてしまった、新たな挑戦への自信をぜひとも甦らせよう。

(ハイディ・グラント・ハルバーソン、DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー 2014年3月31日



戻る